2013年10月4日金曜日

おもてなし

オリンピック招致で滝川クリスタルさんが
客を迎える日本の伝統的な精神を
「お・も・て・な・し」と表現して
マスコミから脚光を浴びた。

しかし、平安時代は
もてなすは単純に「取扱う、取り計らう」レベルの理解で
使われていたようだ。
源氏物語や、松尾芭蕉の奥の細道などでは
「お」なしの「もてなし」と表現されているとある。

徐々にお客を招く日本的サービス精神として表現するため
「お」がついて「おもてなし」と美しい表現に
変わっていったようだ。

「サービス」とは
本来接客業をする場合によく用いる表現で
相手が心地よく過ごしてもらえるよう
一定のマニュアルに沿った配慮である。

「おもてなし」とは
自宅にお客を招く時に用いる表現で
相手が心地よく過ごしてもらえるよう、
かゆい(微細な)ところまで届く日本人特有の心配りである。
そこには画一的なマニュアル以上の精神を付加する
招く側の対応を示している。
お客それぞれに沿った気遣いや心配りを言うのだ。

二つは、お客に不快な思いにさせないという点では一致するが、
そこにより深い心配り(配慮)が加味されるかどうかの違いがある。

だが、わたしは、
日本独特のものだとはあまり思っていない。
海外でも自宅でパーティーやゲストをお招きをする場合は
当然招く相手に合わせた配慮をするだろうからだ。

家庭に招く以外の場面でも
きめ細かいサービス精神を持ち合わせている
日本独自の考え方を
「おもてなし」として表現したことが
日本人の心に誇りと自信を植えつけたに違いない。

「おもてなし」精神を忘れつつある
日本人が増えている。
この機会にまた日本精神に誇りをもち
守ってゆく意識が育つといい。

0 件のコメント:

コメントを投稿