2014年10月26日日曜日

記憶の過程

実家に帰省する前に
施設への手土産を買いに行った。
明日から
実家で母との時間をまた1週間過ごす。
認知症の母
いつまで私を覚えていてくれるのだろうか?
帰省するたびに
覚えてくれているだろうかと、不安を抱いてしまう。
 
幸福とは
健康と
記憶力の悪さじゃないかしら、と
言った、人がいるが
記憶力の悪さは
都合の悪ことや
嫌なことを忘れちゃう
物忘れのことを言っているのだろう。
確かに
不都合なことや
人から言われた嫌なことなど
都合よく忘れられるなら
悲しんだり苦しんだりする時間が少なくなる。 
確かに
少々の物忘れ程度ならいいが・・・。
 
認知症でいう記憶障害は
人間の尊厳を失っていく辛い過程である。
 
記憶は
自分の歴史の積み重ねだ。
過去の記憶が少しづつ消えてゆくのは
新たな記憶の蓄積が出来ないことは
自分を消していくことで
自分を確立できないことで
とても悲しい出来事である。
 
そういった辛い過程を意識することなく
少しづつ
自分を忘れていく道は救いがあると
言う人もいる。
だが
それに関わる家族や友人は
辛いに違いない。
だから
母が私を覚えてくれている時間を
大切にしていきたい。

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